生活相談員として、入所・退所に関わる連絡調整が私の仕事です。養護老人ホームに入所する方は、一見明るく見えても虐待を受けていた過去があったりと、孤独感や不安感を抱えている方々。少しずつでも本音を引き出せるように、気兼ねなく話せる雰囲気づくりや相手の立場に立ったコミュニケーションを心がけています。
特に難しいと感じるのは、退所して別の施設へ移動していく方の調整業務です。身の回りのことができなくなったり医療的なケアが必要になったりと、退所は必ずしも本人の希望とは限りません。それでもすり合わせを繰り返し、最終的に本人も家族も納得してもらえる移動プランを提案できた時には、この仕事をしていてよかったと思います。

介護・福祉制度は時代とともに変化します。入所者やご家族に根拠のある説明ができるように、常に勉強は欠かせません。私は入社後、介護福祉士、社会福祉士の資格を取得したほか、成年後見人制度や相続関連の知識なども吸収。幅広い分野の知識を活かせるのは、養護老人ホームならではだと思います。
また現在、地域のボランティアや民生委員の方々と連携した、お年寄り向けの配食サービスを行っていますが、今後はますます医療や行政など他職種との連携が求められるでしょう。福祉は正解がなく、ゴールが見えにくい仕事です。さらに深い知識を養い他施設との関わりを強めながら、入所者はもちろん、地域のお年寄りの方々にも貢献していけたらと思います。